イチゴには様々な生育を脅かす病気が存在する。
これらが発生してしまうと現在育てているものだけでなく、
その後に再び植えた苗などにも問題が出ることもあるので非常に厄介である。
そこで今回はイチゴの病気の種類とその対策法などについて御紹介したいと思う。
Contents
1、萎黄病
この萎黄病はイチゴが非常にかかりやすい病気である。
原因は根などから入り込んだ菌による発病で、
初期の兆候としては幼苗などの3枚の本葉の内、
1枚から2枚の成長が遅れはじめ、その後緑の葉が黄色く変色するという状態になる。
他にも葉が小さくなる、ねじれる、奇形になるなどの症状も出る。
放置しておくと葉だけでなく、やがて感染が植物全体に広がり枯れてしまう。
こうなると薬剤を使った消毒が必要となることもある。
またこの病気の厄介なことは感染した植物の菌が土壌に残っていると、
次に植えた作物にも同じ被害が出ることである。
萎黄病に感染しているかどうか確かめる
感染しているかどうかを確かめるには、
土に接している部分の茎を切って、
茎の断面が褐色に枯死しているか見ることである。
(実際に切って見てみると...褐色で枯死している)
萎黄病の起きる要因や原因は様々なものがある。
例えば気温に関しては23℃~27℃の高温多湿な環境、もしくは極端に乾燥している状態でも発病しやすい。
萎黄病の発症時期
土の温度は25℃~27℃なので、
通年発病するものであるが、
特に8月~9月はかかりやすい時期である。
特に夏場は水不足などによる枯死と間違えられやすく、
対策が遅れることもあるので注意すべきです。
他に萎黄病が起こりやすくなる原因になるのが、土壌センチュウ類である。
このセンチュウ類は土壌の中に生息し植物の栄養を吸い取ってしまうのだ。
(センチュウによって奇形した株の様子)
その結果弱った植物は萎黄病のような病気にかかりやすくなってしまう。
土壌センチュウ類の防止法
センチュウを防止するには、センチュウの苦手な植物マリーゴールド、落花生、スイカ、メロン、キュウリ、トウモロコシなどを植える。また、プランターや鉢で育てている場合は、新聞紙に土を広げ、半日、日光消毒するなどの方法がある。
萎黄病自体の対策としては、排水の良い土壌を心掛ける、感染した苗の早急な撤去(感染したものは必ず別の場所で処分すること、菌が土壌に残るのを避けるため)。同じ植物を何度も同じ土地に植える連作を避ける、萎黄病にかかりやすい野菜や果物を同時に植えない、窒素の少ない肥料を使う、植物の傷口から菌が入ることもあるので害虫をしっかり駆除すること、作業道具のまめな消毒などである。
2、炭疽病(たんそびょう)
これもイチゴに多く見られる病気である。
(葉やランナーに黒い斑点が現れるといった症状)
原因はカビなどの胞子が付着することである。
兆候としては円形の斑紋が葉、花、茎、実などの表われること、黒い粒々が出る、赤っぽい粘りのある胞子が表面に表われるなどが見られる。また、クラウンにも見つけ次第、対処すればそれほど問題はない病気であるが、放置した場合、苗の場合、枯死、果実は腐って落ちてしまう。また、他の植物にも感染が拡大してしまう。
炭疽病の発症時期
炭疽病の発症しやすい時期については、6月~7月、9月~10月などの長く雨が続きやすい時期、つまり高温で多湿な時期に蔓延しやすい。
炭疽病の発生しやすい環境については水はけの悪い土壌、葉が生い茂りすぎ植物の風通しがよくない状態、炭疽病に弱い植物を同時に植えることなどである。
炭疽病の防止法
炭疽病を予防するためには上記の環境改善だけでなく、カビが発生しやすくなる水やり方法(葉に水をかけること、根元にかけるのが望ましい)を避けることや、この病気にかかった葉や枝はすぐに処分すること、できる限り消毒済みの植物を購入することなどである。
炭疽病が蔓延し、状態が最悪まで悪化すると薬物治療を行わなくてはいけなくなるので、早めに対処することが必要である。
3、灰色かび病
この病気はイチゴなどの果実が実る植物によく出るものである。
症状としてはまるで水に染みたような斑紋が表われ、その後褐色に変化、そして最終的には実などが灰色のカビに覆われてしまう。
見つけ次第対処しなければ、感染した部位だけでなく、葉、茎、実、花など全ての部分に広がり、最後には植物が枯れ死してしまう。
灰かび病の発症時期
灰かび病の発症しやすい時期については、基本的には一年中であるが、多湿で気温が20℃前後と低めの時が表われやすい。特に一番発症しやすいのは、やはりじめじめした梅雨の時期である。
灰かび病の発症しやすい環境は水はけの悪い土壌や葉が生い茂りすぎて通気が悪くなっているなどの状態である。また、落葉や落花の放置もこの病気に繋がりやすい。
灰色かび病の防止法
予防にはこのような物をまめに苗や株の根元から取り除くこと、葉の風通しをよくすること、カリ成分の多い液体肥料をまくことなどである。他の病気同様、放置しておくと苗や植物を丸ごと処分しなくてはいけなくなる。
4、うどんこ病
うどんこ病の原菌は、周年イチゴ上で生活をします。
他の病原菌が水滴がないと発芽できないのに対して、
うどんこ病は、空気中の湿気で発芽できるのが特徴。
(葉の裏面がうっすらと白くなっている様子
※イチゴの表面も白くなるし、放っておくと、
遠くから畑を見ると全体が白くなる)
高湿度ほど多発生するが、比較的低い湿度(50%程度)でも発病する。遮光すると胞子形成が促進されるので注意。
うどんこ病の発症時期
うどんこ病の病原菌は活物寄生菌で乾燥、多湿関係なく発症する。発症時期としては、育苗期中の7~8月の高温期以外である。
胞子の発芽適温は20℃前後であるが、0℃前後で発芽がよくなるので低温性の病原菌である。つまり、ランナー発生期から採苗期までに多くの菌そうを形成する。
例えば、ビニール等で被覆すると発症が増える傾向にあるが、露地では発症が少ない。また、促成栽培では発症することが多い。種類によっても、発症しやすいものとそうでないものがあり、とよのか、とちおとめは本病にかかりやすく、女峰は比較的かかりにくい。
うどんこ病の防止法
他の病気でも言えたことだが、発病したものは強力な伝染源となるので、
早急に除去し、ハウス外に運び出す必要がある。
そして、促成栽培の場合は、育苗期から定期的に薬剤の予防散布をする。
その際に薬液は、葉裏にも丁寧に散布してあげる(DMI剤、ストロビルリン系剤は菌が耐性をつけることがあるので注意)。
いかがだったろうか?
イチゴの感染しやすい病気としては他にもウイルス病など様々なものがある。ぜひ上記のような面に気をつけてイチゴの病気を予防してほしい。